おいらがMTBを始めた1980年代(遠い目)、アメリカでのMTBのメインフィールドは、トレイルというよりも、Fire Road と呼ばれる砂利道がメインでした。
Fire Road というのは、山火事の時に消防隊のジープが入れるように、山につけられた簡易的な林道のようなもの。MTB発祥の地と言われる、カリフォルニアのMT Tam(タマルパイス山)でも、このFire Roadで爆走するのが、MTBだったんです。

その中でも、アイコニックなトレイルというか、砂利道(笑)として知られるのが、コロラドのPearl Passトレイル。スキーリゾートで有名なAspenから、Crested Butteまでの、35㎞ちょっとのトレイルで、峠の標高は3872m!富士山よりも高い!!

写真の尾根の部分が、Pearl Pass。技術的に難しい道じゃないんですが、平均勾配9%、空気が薄くてたまったもんじゃない(汗)。ここを、MTBの先人達はシングルスピードで登って行ったんですよ(白目)

こんなアルパイントレイルがずっと続いているかと思いきや……

途中にはこんな渡河をするところが数か所。とにかく、このトレイルを走るのは大冒険。MTBは、オフロードを走る自転車というよりも、アドベンチャーの移動ツールという認識が強い時代だったんです。
そのため、当時からこんなスタイルのマウンテンバイカーも多数いました。

MTB+ドロップハンドル。はい、お察しの通り、これがグラベルバイクの起源ですよ!
シクロクロスから派生して、オフロードを走れるロードバイクのタイヤが太くなって、グラベルバイクになった……というのが、今のグラベルバイクの起源説の主流のようですが、おいらは断固として反対しますっ!(笑)
グラベルバイクは、その名前の通り、砂利道を走るためのバイクで、そのルーツはMTB。MTBの走破性とユーティリティ性を持ち、シンプルで長距離移動に適したバイクが、グラベルバイク……と、当店では定義しています。こればっかりは、誰がなんと言おうと譲れねぇ(爆)

そのため、当店が提案するというか、当店でいうグラベルバイクは、明らかにMTBに通じるアイデンティティがあります。これはデモバイクというよりも、おいらの私物に近い、Revel Rover ですが、当店的なコダワリはいくつもありまして……

まず、スプロケットとディレイラーはMTB用。ローギアは51Tです。
もちろん、登りがキライだからというのもありますが、グラベルバイクはいかにして疲れずに長距離を移動するか?というバイク。そのため、無理をするようなギア比ではなく、楽ちんなギアを搭載すべきなのです。そしてディレイラーはMTB用。これは、ローギアに対応させるためという意味もありますが、あとは耐久性ですね。

ブレーキは強力なヤツをチョイス。さらに、当店ではローターも前後160φがデフォルトです。
大きいローターは、ブレーキのフェード対策に非常に有効で、長い下りをダラダラと下るのに最適。ドロップハンドルの上を握ろうと下を握ろうと、軽い力で確実に制動できるブレーキが、グラベルバイクの理想のブレーキと当店では考えています。

そして、ドロッパーポストはマストアイテム。ドロッパーなんか、80年代にはなかっただろう!と突っ込まれそうですが、そんなことないですよ!

スプリングの力でシートポストを上下させるというアイデアは、Joe・Breezeが、1984年に形にしているんです。かくいうおいらも使っていました。テクニカルなトレイルでサドルを下げるというよりも、長い下り坂で、サドルを下げることにより、足つき性を良くして、重心を下げる意味合いの方が強かったんです。
現代のグラベルバイクでも、下りでサドルを下げると、本当に安定するんですよ。さらに、ドロップバーの下を握っても、上体のポジションが楽になるのも大きなメリット。砂利道だけじゃなくて、舗装路の下りでも効果は絶大なんです。冗談抜きで、ロードバイクにもおすすめ!

ワイドレンジなギア、強力なブレーキ、ドロッパーポストという、MTBの3要素をグラベルバイクに突っ込むことで、グラベルバイクも立派なシングルトラックバイクになります。
で、普段MTBで走っているようなシングルトラックを、グラベルバイクで走るとこれが本当に面白い。グラベルバイクのほうが走破性ははるかに劣るので、走り慣れたトレイルがまったく違うトレイルになるんです。加えて、スピードを出せないので、コケても全然安全(大笑)。
またグラベルバイクは、汎用性と応用性が、MTBの比にならないほど高いのも魅力。

こんなの、今のフルサスMTBじゃ絶対に無理だもん(爆)。でも、こういう自由なスタイルが、80年代のMTBだったんですよ。というか、オフロードの走破性能に特化するあまり、スタイルの自由を失ってしまったのが今のMTBなのかもしれませんね。
※ 古い写真は、Mountain Bike Action Magazine、Vintage Mountain Bike Magazine、The Radavist Magazine から引用しております


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