当店の主力ブランドである、YETI Cycles が採用している、Switch Infinity と Sixfinity については、この前詳しく解説したので、ブログのアーカイブを参照にしてくださいな。
今回のトピックは、やはり当店の主力ブランドである、REVEL Bikes が採用している、CBFサスペンション。Canfield Balance Formula の略です。

REVELのRascalを見ると、ワンピース構造のスイングアームを、2つのリンクで支えています。リアショックは、Yアームリンクを介して横向きに配置。なんか、一見、DWリンクに似ているんです。

昔のPIVOTのDWリンクを見ると、よく似ているでしょ?でも、CBFとDWリンクの似ているところは、発明した人の名前がついているところだけ(Chris Canfield が発明したのが、CBFで、Dave Weagle が発明したのが、DWリンク)。サスペンションのコンセプトは全く違うんです。
DWリンクというのは、いわゆる仮想ピボットサスペンションというヤツ。スイングアームが弧を描く時の仮想中心点(Instant Center ICと呼びます)をストロークに応じて移動させて、初期ストロークやボトムストロークでもサスペンションの特性を変化させています。そのため、DWリンクサスペンションにおいては、初期のサグ出しが非常に重要になるんです(サグで、初期ストロークが決まるため)。そんなDWリンクのライドフィールは、レスポンスよくキビキビとサスペンションが動きつつ、ボトム部分ではがっつりと粘ってくれるというような感じになります。
対するCBFサスペンションは、まず、スイングアームの動き方がまったく違います。

CBFサスペンションは、スイングアームが弧を描くように動く際の仮想中心点(Instant Center・ICと言います)が、ボトムブラケットの真上、チェーンリングの真上に来るようにデザインされたもの。そのため、サスペンションストローク時のチェーンの長さとホイールベースの変化量が極めて少なく、同時にライダーの体重を加重するポイント(つまりボトムブラケット部)が、サスペンションのICポイントになります。
この結果、サスペンションの動きに影響するペダリング入力と、ブレーキング入力が、サスペンションの動きから完全に独立するため、ペダルを踏んでようが、ブレーキングしてようが、サスペンションが常に仕事をしてくれるのです。
そのため、初期のサグ出しが適当でも、ちゃんとサスペンションが機能してくれるというメリットもあります(もちろん、ちゃんとサグを出せばさらによく機能しますよ)。そしてライドフィールが、ある意味独特で、ペダリングの強弱に関係なく、常にサスペンションが地面に張り付くように動いてくれるので、とにかく踏んでいればトラクションがかかるという感じ。加えて、ブレーキング時も、サスがちゃんと動いてくれるので、地面に張り付いているような感じになります。

CBFサスペンションの面白いところは、ICポイントがチェーンリングの真上に来るのであれば、どんなサスペンションデザインでもいいというところ。逆説的に言うと、ストロークに応じて、サスペンションリンクの形状や配置を考えないといけないサスペンションになります。

ついこの間発売になった、REVEL の新型Rangerは、120㎜というリアストロークのため、リンク類は非常にコンパクト。加えて、軽量化のための工夫があちこちにされています。

リンク類はすべてカーボン製で、ロワリンクは、BBの裏に内蔵されるように装着されるという芸の細かさ。

こちらは、単なるハイピボットサスペンションのように見えますが、Taken Cycles の Encounter というモデルで、リアストロークは176㎜。
このサスペンションの面白いとこが、スイングアームはシートステー、ロワリンクがチェーンステー、アッパーリンクがロッカーアームと分けて、リンク配分を設計して、ちゃんとCBFになっているところなんです。ストロークを長くして、ペダルキックバックを限りなく少なくするための設計になっているんですね。

このCBFサスペンションを採用している、REVEL Rascal のインプレッションで、気持ち悪いくらいべた褒めしているのが、Pinkbike誌なんですが(汗)、インプレライダーのMatt Beerの言葉を紹介するとですね……「しなやかで、かっちりしていて、安定していて、とても静か」
確かに乗るとわかるんですが、CBFサスペンションのバイクは、とにかく静かなんです。ブレーキングしていようが、ペダリングしていようが、ガチャガチャ言わない。ただ、あまりにスムースで静かなので、地面からのインフォメーションが欠落しているように感じることもあるんですが、これはハイスピードで下りをガンガン攻める人にしかわからんことでしょうね。
オールラウンドにトレイルで遊びたい人で、サスペンションのセッティングがイマイチ苦手というライダーには、本当におすすめのサスペンションです。


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